どこへ行こうとしているのか

朝は湿気のある曇り空。午後から快晴。西風が強い。

日ハムは予定通り快調に3連勝。
優勝へのマジック29も点灯した。


いよいよ明日は政権交代がかかる選挙。
若者の投票率があがると予想される。
目の前にぶらさっがたおいしいエサにつられての投票かもしれないが
無関心よりはるかにましだ。


村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」に
今の政治(日本の姿)を表した箇所があるので紹介します。

すでに読まれた方はわかると思いますが、ここで登場する「綿谷ノボル」という人は
主人公(僕)の妻の兄で、政治家にまでなった有能な人物。
しかし「僕」との考えには大きな差が(これを何かにたとえたかもしれない)あった。

その政治家としての綿谷ノボルの考えをもとに言った「僕」の意見。

・・(ここから引用部分)・・
しかし現実的にまったく何の指標も待たずに人が行動するのは不可能である。
・・・・日本という国家が現在の時点で提供できるモデルはおそらく「効率」くらいである。
コミュニズム体制に長期にわたってボディーブロウを与え続け、崩壊に導いたものが、
「経済的有効性」であるなら、我々が混乱期にあってそれを実務的な規範として全体に敷衍(ふえん)していくのは当然かもしれない。

考えてみてもほしい、「どうすればものごとの効率がよくなるか」、
戦後の歳月をとおしてそれ以外の哲学、あるいは哲学に類するものを我々日本人は生み出してきたのだろうか?
しかし効率性は方向性が明確なときに有効な力である。
ひとたび方向性の明確さが消滅すれば、それは瞬時に無力化する。
海の真ん中で遭難して方向を失ったときに、力のある熟練した漕ぎ手が揃っていても無意味なのと同じだ。
効率よく間違った方向へ進むのは、どこにも進まないより悪いことである。

・・・綿谷ノボルの展開する論理にはそれなりの説得性と洞察があった。
それは僕も認めないわけにはいかなかった。
しかし何度か読み返しても、綿谷ノボルが個人としてあるいは政治家として
いったい何を求めているのか、それがやはり僕にはわからなかった。
「だからどうすればいいのと言うのだ?」

・・以上村上春樹著「ねじまき鳥クロニクル」より引用。・・



高速道路の無料化。最低年金の設定など美味しいエサをまく民主党
その揚げ足をとる宣伝ばかりしている自民党


我々が本当に知りたいのは
だから、この国はどこに行こうとしているのか、その本音だ。




・・・・今日は夕日がきれいだ!