結婚って なーに

暖かな朝。
外はうっすらと粉雪をかぶっている。
(氷の上に)

いちばん転倒しやすい場面です。

気軽にサンダル履きでひょいひょいと外に出ると、ズデンといきます。

極寒だとそれなりに緊張して、足元にも気をつけるのですが・・


↑−1.5℃   ↓−7.4℃       北北西   3.9m/s   湿度  44%


昨日釧路駅に行くと、SLの出発時間もあったのでしょうが
多くの観光客でにぎわっていました。
しかも外国人ばかり(中国語が多かった気がする)

冬は鉄道の季節!

いいですね。




上尾幌・・その2

誰も歩いていない、車もほとんど通らない。
駅前通りに郵便局がある。
その先の十字路を、とりあえず右折する。
すぐに民家が途絶える。
すこし戻って、はばの広い道道(どうどう・・北海道で管理している道)を
山の方へ歩く。

誰もいない、車も通らない。

この先、何も(展望が広がるとか)ない予感はするが行ってみる。
なにせ街が狭い(街中を歩くにも限界がある)。
次の汽車時間まで3時間もある。

ほんとうに、誰もいない、車も通らない。



ここに、結婚を前提として付き合っているカップルが来たら、と仮定して想像してみた。
男は一応ぼくとして(ただアテもなくぼーっと歩くのに何の不満も持たない)
女は普通の人     (↑のような趣味は全く持っていない)


女「ねえ この先何かあるの?」

男「わからないけど行ってみよう」

女「疲れたし、少し休むところないの?
  ほら、足もともに雪がしみ込んで寒いわ」

男「こんな時のために、しっかりとした靴をはかないからさ」

女「だって、まさかこんな場所に来るとは思ってもみなかったのよ
  そんなゴツイ靴なんて街中で履けないじゃない。」
 「あー 疲れた。こんなことになるんだったら、ひとりでジャスコでも行って買い物でもするんだったわ」
 「ねぇ トイレってどこにあるの?」

男「多分駅にあるかも知れないから、すこし我慢して」

女「ほーんとに なーんにもないわね」

男「ほら見てごらん、あそこのトド松、多分樹齢は50年くらいだよ」

女「ふーん」

男「ほら この足跡はエゾシカだ」

女「たくさんあるわね」

男「おっ このタイヤの跡は オーツタイヤのy-203Kだ」

女「ふーん」

男 「この坂道の傾斜度は12パーセントだな、多分」

・・・女はその場所の雪を靴でけり、ため息をつきながら男の指差した方を仕方なく見る。

女「ねぇ もっとましな話はできないの。これからの二人のこととか」
 「私の実家への挨拶はいつにするの?」

男 「うん そうだな・・ そのうちに」

女「それに私の仕事だって、いつまで続けたらいいかメドを立てたいし。
  式場だって、今から予約しておかないと秋は混むわよ」

男 「それはキミにまかせるよ」

女「ねぇ 将来のことって、もっと二人で考えた方がいいんじゃないかって私は思うの。そんな傾斜のこととか、オーツのkなんとかなんて、私は興味がないの!」



なぜ結婚前のカップルは、デートの場所として「上尾幌の道道」ではなく
街中の商店街とかジャスコとかでデズニーランドとか六花亭とか黒魔術とかを選択するのか。
いったい、デートの場所って誰が決めるのか

上のようなカップルの場合、決めるのは女性で、男は言いなりになっているだけ。
その方がうまくいく、のを男はよく知っている。

そんなカップルが「間違って」上尾幌に来た場合、上のような悲劇になるのだが、
果たしてそうだけと言えるだろうか?

結婚して20年経って、「やっぱりこいつのことは分からん」その逆もしかり、と後悔するより、早い時期にお互いの本性を知って、さあどうするか、を決めるには
上尾幌は最適な場所だと、ぼくは思いました。


しかしこの助言を素直に聞いて
「じゃあ今度上尾幌に二人で行ってみよう」
「いいわね 素敵!一刻も早くあなたの本性を知りたいわ」
なんてカップルは、いないとぼくは思います。

この章はおわり
(注:トイレは駅にもありません。集落をうろつき回って「トイレはどこにもない」との結論でした)

でも上尾幌はつづく