アミダ様

晴れ。
しっかりと湿気の抜けた、釧路らしい秋の空気です。

↑℃   ↓1.7℃       西南西  3.7m/s   湿度 59%


芸術の秋・・・
というより読書、図書館の秋といってもいいような
図書館の催しものの連発です。

中戸川 吉二

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%88%B8%E5%B7%9D%E5%90%89%E4%BA%8C

中戸川 吉二(なかとがわ きちじ、1896年(明治29年)5月20日-1942年(昭和17年)11月19日)は、北海道釧路生まれの小説家。

大正時代、釧路を舞台とした多くの作品を発表し、中央文壇で将来の大成を期待された、釧路の作家、中戸川吉二。しかし、2冊の長編小説と6冊の短編集を残すのみに終わり、その作品も長らく入手困難となっていました。
本年の「中戸川吉二作品集(志村有弘盛厚三/編)2013 勉誠出版/発行」の刊行を記念し、同書の編者の一人である盛厚三氏、同書に解説「中戸川吉二と北海道」を寄せた亀井志乃氏、大木文雄氏によるトークショーを開催します。



旅日記9・・アミダ様

(また長くなります。以下の文章は旅熱覚めやらぬうちに、と書置きしていたものです)




途中(pm7時ころ)、聞き覚えのある名前の看板が目につく。
「アミダ様」・・・アミダ様といえば、ライブハウスでは道内でも有名な場所で、北海道ツアーをするジャズメンたちも必ずここで演奏する。
そうか、確か苫小牧だと記憶の端にあったが、ここだったんだ、と思わず立ち止まりしみじみする。
壁に貼られたライブ情報によると、近々カルメン・マキもやるようだ。カルメン・マキ・・そそられる名前です。

日高・豊郷の宿で、苫小牧にもシアターキノのような映画館がある、と聞いていたのを思い出した。
確かこのアーケード街付近だと言っていた。
アミダ様のななめ前のセイコーマートに行って聞いてみる。この付近に映画館はないか?と。
店員の女性はこの付近の人ではないようで、明らかに地名を聞かれるが苦手のようだ。
それでも大きな地図を出して探してくれるが、名前も分からないし、探しようもない。
お礼をいい、「しかたがなく」アミダ様に戻って聞いてみることにする。


(とっても入りづらい、シロウトは入ってはいけないオーラが漂い流れてきます。二階から)

店内はかなり広い。正面に30センチほどせり上がった3畳ほどの舞台があり、客席は真ん中に大型円形テーブルと、脇に2〜3人席が4つほど。
カウンター席は5人くらい座れる。
店のマスターは眼光するどいスキンヘッドの、イメージした以上にそのような方でした。

いらっしゃい・・・とあいそ笑いはない。

あのー・・この付近にキノのような映画館があると聞いたのですが・・。
と、とりあえずいつでも退散できるように用件だけを聞く。

あー・・・・それなら・・・このアーケードを過ぎて・・・・右にまがって・・・
ボーリングのピン・・あのボーリング場のあった・・いや、いまでもやってるか・・
その一階にあるよ。

と、ぼつぼつとゆっくりしゃべる。
赤目四十八滝心中未遂の内田裕也をスキンヘッドにした感じ。

だが、その映画館の人たちともかなり親しいようで、ちゃーんとパンフレットもくれる。

映画の後に、もう一度寄らせてもらいます。
と言い残して、その場を辞す。

映画館に行ってみるがシャッターが閉まっている。

http://cinema-taurus.info/

さて、もう行くところはひとつしかない。
もう一度アミダ様。

メニューらしきものは見当たらない。ビールを注文する。
釧路で民宿休坂をいう宿をやっているものです、と自己紹介する。

あー やす・み・ざか・・ 昔泊まったことがあるよ。
何年前だったかな・・舞踏をやる人と・・一緒だった・・かな。

その頃、釧路のジスイズでライブをやったミュージシャンはよく休坂に泊まった。
アミダ様のライブ情報に載っている、関ヒトシ・藤井康一さんたちはよく来ていた。
ようやくうちとけて(そんな感じがして)、それでもぼつりぼつりと話す。
話を聞くと、アミダ様も休坂と同じ時期に前の場所から移転している。

たいへん・・だったんだ・・・と生身の人らしい哀しさが顔をよぎる。

芋焼酎をいただく。
お湯割りがいいです、というと、やかんに水をいれてわかす。
夕飯まだでしょ、なにかつくるかい?とおつまみも出してくれる
見た目よりマメな方です。

芋焼酎は四合ビンのまま、どんと置く。

話は盛り上がったが、このまま居続けると沈没する。
どこに行こうか考える、もう夜の9時だ、付近の旅館には泊まる気がしない。
旅を続けるには札幌に行くしかない。

よし、行こう!勘定をお願いします。

マスターは焼酎ビンをひょいと指で挟みもちあげ、3000円。
下の道路まで見送ってくれる。しばらく歩いてふりむくと、まだこちらを向いている。
おおきく手を振って別れる。
今回はここで沈没するわけにはいかない。次に来る時は・・・と。