泣く子も黙らすトロイメライ
午後から晴れてきた。
でも外はまだひんやりとした風が流れている。
↑7.2℃ ↓度 2.8℃ 南西 4.2m/s
ウラリのちいさいコンサートに行ってきた。
いい天気のなか、ちいさい子どもをつれた家族が多い。
回を重ねるごとに主催者の趣旨に合う雰囲気になりつつある。
「この時間はちょうどお昼ねの時間なのよね・・・」
そういうお母さんのひそひそ話しが聞こえてくる。
子どもにも聴いて欲しいが、できるならお昼ねしてもらって
子どもの寝顔を見ながら私がゆっくり音楽を楽しみたい・・
そんな感じでコンサートが静かにはじまった。
「ドビュッシーは苦手」と言っていたピアニストだったが、
入試のためには仕方がなく、苦手な化学記号を覚えている、
文系少女のような表情で、まるで挑むように弾いていた。
子どもの情景 シューマン
今日のメインプログラム。
コンサートの始まりから赤ちゃんの泣き声や話し声が聞こえる。
少しがちゃがちゃとした雰囲気の会場内。
子どもたちは将来、このコンサートのことをどう覚えているのだろうか?
生のピアノはBGMで流れる音楽のようには手加減しない。
少し単調な音ではすぐに居眠りを始めるし、音が大きくなると目覚める。
子どもの情景 作品15
6.重大な出来事
の後
7.トロイメライ
に入る前の一瞬の間。
ピアニストは大きく息を吸い込み、すこし上の方を正視した後、鍵盤へ視線と指をおとす。
ざわざわしていた会場が一瞬、静まりかえったような気がした。
ピアニストの気迫が、明らかに子どもたちに伝わっている。
今日のコンサートはこの一瞬を味わえたことで
ちいさい人たちと、昔はちいさかった大人たちは満足した。
浦見の桜はまだつぼみ