南海の孤島で糖尿病?
霧晴れ。
南の風に霧の冷気がのってひんやりと涼しい。
道端には早くも秋の花が咲き出した。
今休坂の周りに咲き出したのは「ノコギリソウ」の一種
ロータリーの坂道には
メマツヨイグサ(待宵草)
俗に月見草(つきみそう)と誤って呼ばれる。本当の月見草は白花。
マツヨイグサも竹下夢路が
「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待ち草のやるせなさ」と詠んでしまったため宵待ち草となった?
あらためて吉村昭の「漂流」を読み返す
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1980/11/27
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 97回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
南海の孤島のたどり着いた長平たち4人。
そこには水も草もない死の島であることを知るが、大型の水鳥「アホウドリ」の最大の営巣地でもあった。
鳥の肉を海水でもんで食べ、卵の殻を雨水うけにして生き延びる。
しかし生きる望みをたたれ、食料が安易に手に入る生活は
彼等を運動不足にし、南海の孤島にありながら現代病ともいえる「糖尿病」のような症状があらわれ次々に死んでゆき、ついに長平一人になってしまう。
現代のファーストフード、コンビニ食と運動不足、霧のなかをむやみにさ迷っているような「生きる」という意味の模索。
似ている、と思う。