「はっさく」と、旅は昼間のビール
曇り。今朝の最低気温マイナス11.6度。
日中もプラスにならず、なんとなく真冬日。
今日の頂きもの
(このコーナーを作ってもいいほど頂きものが多い)
熊本産はっさく。
実家の庭(僕の実家ではありません、もちろん)になったものをおじいちゃんが屋根にのぼって収穫したもの。
ありがたく頂きます。
・・・村上春樹「辺境・近境」よりメキシコ大旅行から
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/05/30
- メディア: 文庫
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しかし今回、僕は初めの十日間だけはリュックをかついだ昔ながらの貧乏旅行をすることになった。ブエルト・バヤルタの空港に下りたって、リュックを肩にかけたときには、正直に言って「うん、これだよ、この感じなんだ」と思った。そこにはたしかに自由の感覚があった。それは自分というひとつの立場からの自由であり、ひとつの役割からの自由であり、クロノロジカルに成立している僕自身からの自由である。そういった自由の感覚が、肩にかついだリュックの重みの中にこめられている。見渡すかぎり、ここには僕を知っている人は誰もいない。僕が知っている人も誰もいない。僕の持っているものはみんなリュックの中に収まっているし、僕が自分の所有物と呼べるものは、ただそれだけだ。
※クロノロジカル・・・・[形動]年代順に並ぶさま。
旅に行って、昼間普通の食堂に入って「ラーメンを待つ間に飲むビール」が好きだ。
前に鹿児島に行ったときにも何回かやった。
のんびりラーメンビールを味わっていると
「またお金?今度はいくら?」
と店のおばちゃんが電話に話している。
客は僕一人だったので、おばちゃんも
「聞かれてしまったものはしょうがない」とばかりに弁解がましく話す。
「いや〜 息子がね、いやもう結婚してるんだけど
給料が安くて・・・それで時々お金をあげてるのさ」
別にしゃべってくれなくてもよかったのだけど、
どう返事をしていいのかわからなかったが
昼間のビールとラーメンの満腹感で、ぼーっとして
「ああいい旅だ」
と思った。
釧路出身のジャズピアニスト。