海を飛ぶ夢

夜半の雪が明け方から雨になった。
春先のようなじとっとした冷たい空気。


年賀状を書かねばと無料イラストをのぞくが
さすが無料なだけあってロクなものがない。
来年は寅年なのでイメージは作りやすいが
思いつくものは、どこにでもありそうな陳腐なのもばかり。

民宿を始めた頃はやる気満々のイメージイラストだったような気がするが
最近はごろごろだらだらのイラスト。


・・・・くしろシネマパラダイス続き。

釧路駅北側にある喫茶店「茶寮 時代屋」が中心になって開催されている自主映画上映会。


第5回上映作品   2005年11月20日 まなぼっと
海を飛ぶ夢」(スペイン)

25歳の時に頸椎を損傷し、以来30年近くものあいだ全身の不随と闘った実在の人物、ラモン・サンペドロの手記『レターズ・フロム・ヘル』(西: Cartas desde el Infierno; 1996)をもとに、尊厳死を求めて闘う主人公を描いたドラマ。


なかなか見ごたえのある映画だった。
(実際の上映会では観なかったのでレンタルDVDで観直し)
スペインの映画はあまり観たことがない気がする。
カトリックの神父とのやり取りが面白い。

「教会は死を必要以上に恐れさせている。そうしないと教会に来る人が減るからだ・・とラモン。
命を自分のものだけだと考えるのは愚かなこと・・・と神父が言うと
教会こそ財産の保有にだけ頭を使っている・・・とラモンが痛烈に教会を批判」


日本で観る映画だから、この場面も笑っていられるが
スペインってかなり熱心なカトリックの国のはず。
コメディではなくこんなシリアスな映画での批判はかなり強烈だ。

日本ではお笑い的な映画などで「くそ坊主」とか「坊主丸儲け」などということはあっても、
ここまで言い切ったのはない気がする。


アメリカでも若者の宗教離れが進んでいると聞いたが
ヨーロッパなどでもそうなんだろうか
かつて、欧米人が日本人の無宗教さを信じられないと言うことを聞いたことがある。
それほど日常生活の中に宗教が浸透していて
物事の良し悪しの基準が宗教に元づくものだったはず。

宗教界の堕落か、価値観の変化か。
ルター以来の宗教革命が起きるか、宗教自体が消滅するのか。


誤解のないように・・
この映画のテーマは宗教ではありません。
あくまで尊厳死のことに真剣に向き合った秀作です。
一部神父が出てきて、個人的にその部分が面白かったので・・・。






「七曲」とレイコさんは言ってワインをすすり、煙草をふかした。
「この人たちはたしかに人生の哀しみとか優しさとかいうものをよく知っているわね」
この人たちというのはもちろんジョン・レノンとポールマッカートニー、
それにジョージハリソンのことだった。