名犬 シロ物語

隣の犬、シロといいます。
去年の「とほ」にも登場して
休坂に来る旅人の癒し犬として慕われています。


そもそもシロが近所に現れたのは、もう5〜6年前になるのでしょうか
最初はノラ犬だったのですが
隣にいた「チロ」というモテ犬がお目当てで
「チロ」の発情期になると
どこからともなくやってきて数日間を仲良く過ごす、という関係でした。
(いいなあ、こんな関係・・・深い意味はなし)

ノラの割には人なれしていて
どんな人にでもなついて近所の人々からも慕われていました。

チロの発情期になると現れるシロを
季節の風物詩のように眺めていました。
(もっといい言い方ないだろうか)

雪解けとともに現れる「ふきのとう」のよう?

お盆が過ぎると吹き始める秋の風?

全くダメですね(笑)



ところがシロに大事件が


いくら人なれしてるとはいえ
犬の嫌いな人にとって、放し飼いの犬ほどイヤなものはないのかも知れません。

ある日保健所(市役所?)の野良犬捕獲車がやってきました。
「誰が通報したんだろう」
と近所の人たちも遠巻きに成り行きを心配していました。


ところが人なれしたシロは
ほいほいと車に乗り込み(まるで自分から)
あっという間に連れ去られてしまいました。


近所の人たちの落胆は大きく
いなくなってみて、改めてシロの存在感に気がついたわけです。
しかもいなくなった理由がこのような形だったので
無念さ、無力感が地域に漂ったわけです。(大げさな!)


ところが次の日、奇跡が。
いつもの場所(道路)に居るではないですか、シロが。

なんと逃げてきたらしいのです。
脱出、脱走。

その後を、自分たちの失態を隠すかのようなテレ笑いを浮かべて
捕獲車の人たちがやってきました。
ところが、さすが名犬シロ。
けっして、二度と車に乗ろうとも
お菓子に釣られて捕獲車の人たちに近づこうともしません。


結局隣の人の好意で
鎖につながれて飼い犬となったわけです。
これもすごいと思うのだけど
あれほど自由を謳歌していたシロが
いとも簡単に鎖につながれ、まるで前から飼い犬だったように変身してしまう。

この適応能力の高さ
さすが名犬シロ!


見習うことの多い(どこでしょう)名犬シロの話でした。