小笠原から

届きものがありました。

ゴンチチの音楽でもききながらのんびりと

送られてきたのは
パッションフルーツ


南国の甘い、危険な香り。


離島への旅って、ちょっと北海道に行くとか
信州へスキーに行くのとは違ったときめきがあります。

しかも船しか交通手段がないなんて、
もしかしたら帰ってこれないかもしれない、なんて思うじゃないですか。

「えいっ!その時は会社なんか辞めてやる
島の男と結婚して島の人(女)になるわ」

なんて気になってしまう危険な島風の香り。


実は、離島には淡い思い出が(これは前に道新のコラムにも書いたものだけど)


まだ千葉に住んでいた頃
2泊3日で伊豆諸島の八丈島へ船で行きました。
しかもゴールデンウイークに、予約なしで。
行くときは問題なく船に乗れたのですが
帰りの船が満席と言われ、愕然とする。
だって、船って客室が満員だったら甲板に寝るんじゃなかったけ
と、昭和30年頃、奄美から乗った船の記憶を引きずっている。

船に定員があって、しかもそれを守る時代になったことを初めて知る。


しかたがないので職場に電話して、怒られながらも
もう一泊できる幸せに浸る。

次の日、早めに切符売り場に出かけ乗船券を買う。
切符売り場に並んでいるとき、ちょうど後ろに美人姉妹がいて
南国に来た開放感からか、自然に話すようになった。

もちろん船の中でもずーーっと一緒にいて
ビールを飲みながらいろんな事をしゃべった。
結構海が荒れていて揺れたが、ビールをのんでいるせいか
船酔いが来る感じは全くなく、しかもビールにも酔わない。

この時確信した。

船に酔う前にビールで酔ってしまえば、酔わない!


まあそれはどうでもいい事だけど


何時間一緒にいたのだろう。
とにかくずーーーーっと一緒にいた。美人姉妹と。


しかし、旅の終わりは必ず来る。
東京湾に入り、晴海埠頭が近づいてくると

思わず
「晴海埠頭よ、あっちに行け!」と
まるで友部正人
「中央線よ彼女の胸に突き刺され」的な(ちょっと違う?)
叫びたくなるような切ない気持ちになったのでした。

パッションフルーツを送ってくれた人が
小笠原の写真も添付してくれました。
製氷海岸というのだそうです。