船上のロマンは、本当にあるのか?
薄曇り。
かなり涼しい気もするが、それでも23度。
やよいが「1Q84」にどっぷり浸かっている。
よほどおもしろいのだろう。
普段、本を読み始めて静かになったな、と見てみると
だいたい寝ている。
今回はかなり真剣だ。
前に書いた
フェリーのデッキで読書って
やはり何か「タイタニック」のような場面を期待しているようで
読書とは別な動機のオーラがある。
ウイスキーをチビチビやりながら1Q84を読んでいると
ウインブルドンの観客のような
ノースリーブの(夜なのに)大き目のサングラスをして麦の帽子をかぶった女性が
「私も読みました、青豆の哀しみが他人事とは思えません・・・・少しお話ししてもいいですか」なんて・・・・
そんなバカな話しがあるわけないのに、もしかしたら、と思わせるのがフェリーの長い時間と同じ閉鎖された空間の共有なのだ。
ヴァイオリンソナタ1番(特に3楽章)の楽譜をみて、
クララ・シューマンが言った
「あの世に持って行きたい曲です」
は
すでに結婚しているクララに思いを寄せるブラームスの気持ちを察して
「きっと来世では二人の想いは遂げられることでしょう」
と言っているようなもの。
3番については・・
またクララシューマンは、晩年にヨアヒムとこの曲を演奏して言いました。
「この曲はめったに経験できない純粋な喜びです。・・・(中略)・・・このソナタのひとつひとつの楽章が、口には言えないくらい好きです」