音楽の演奏は肉体労働だ

今日も晴れ、暑い。
気温26度。


ようやく釧路の涼しさが知れ渡って
国内のスポーツ合宿が釧路管内で行われている。

隣町の釧路町では柔道の合宿をやっている。
近所のコンビニでは有名な選手の顔も見た、という人もいた。
なにしろデカイので目立つ。

しかし今年の釧路は猛暑。
これでもいいのだろうか?
釧路人もへばっています。
こんな気温で柔道やるなんて、信じられない。

でも本州方面では、熱中症でばたばた倒れる気温の中で練習しているのだろうから
まだまだ釧路は天国か





松原俊恵・三原豊彦
ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会

夕暮れ迫る釧路芸術館・アートホール


アートホールの写真も撮れたら良かったのだけど
開演前のアナウンスで
「館内への飲食物の持ち込み、録音、撮影はご遠慮ください
携帯電話は電源をお切りになり、時計のアラームは消音になさってください」
とあった。
携帯は持っていないし、と思っていると
隣に座ったジスイズの○林さんが「ほれ」と飴をくれる。
いつも携帯しているらしい。釧路っぽいなあ

斜め前の女性たちもペットボトルのお茶をゴクゴク・・・演奏中ではないけど。

飲食物・・・・・だよねぇ・・・まあいいけど。


一曲目が終わって、松原さんの曲目などに関するお話がある。
マイクの使い方がすごく上手い。
アナウンサーみたいだ。

コメントを三原さんに向けるが、演奏へ集中しているのか
しゃべりたがらない。無理もない。気持ちはわかる。
演奏者に演奏としゃべり、両方を期待するほうが間違っている。



そんな中、雨の歌が始った。

なんかぎこちない。
会場の雰囲気と自分のコンディションが上手くかみ合っていないようだ。
探りながら、試しながら、徐々に気持ちを乗せてくる。


15分の休憩。


実はリュックの中に忍ばせていた時計のアラームのことが気になっていた。
時々鳴るのだ(もちろん演奏中は鳴らなかったけど)、しかも操作が複雑で消音の仕方がわからない。

雨の歌にイマイチ乗れなかったのはこのせいかもしれない。
休憩時間に時計を取り出して、外に止めてあるチャリのかごへ置きにいく。
これで一安心。


さあ
2番と3番が続けて演奏される。
だんだん乗ってくる。

会場が観客席と近いので、演奏者の息遣いも聞こえてくる。
弓を引くまえの「すっーっ」と息を吸い込む音。
思わず観客も同じように息を吸い込む。

フォルテの部分では背中をピンと反らせて、反動で弓を引く。

音を聴くだけではなく、身体の動きもダイナミックで
観客も演奏の中に入り込んでいく。
演奏者と観客が一体になった実感がした。



演奏が終わると、受付の所に松原さんが出てきて観客に挨拶をしていた。
なんと律儀な方なんでしょう。
僕の前にいたジスイズの○林さんが握手をしていたので
つい僕も握手をしてしまった。


あの3番の終楽章の強烈な演奏をした手とは思えない柔らな手だった。



前に僕があるピアニストに言われた
「あなたにはもう時間がない」



以前、松原さんも
「私も同じように時間がないのよ、だから今のうちに出来る曲をやるの」
と言っていた。


昨日の演奏を聴いて、見て、
「これは肉体労働だ」と思った。


お疲れ様でした。
すごく感動しました。