酒場での酒の呑み方
今にも雪か雨が降りそうな曇りだったが
午後から雨音がぱらぱらと。
今日から12月、師走だがなんの感慨もなし。
早く年賀状を、と考えているだけ(これが何かに追われているってことか)
こういう日は風邪でもひいて
しゅっしゅっとストーブにかけた薬缶(やかん)からの湯気が立ち上る
古い、しかもおしゃれな部屋で、こほん、こほんとセキをしながら
萩原朔太郎の詩集でも読んでいる光景が似合う。
Love Letterという映画にこんな場面があったので
単にそれを思い出して言っているだけです。
「おげんきですか〜」
・・・酒の呑み方で村上春樹は
- 作者: 村上春樹,安西水丸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1989/10/25
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (62件) を見る
昔酒場で働いていた経験からいって・・・・
「しん」と酒を飲んでいる人がいると、働いている方としてはかなり気になる。
「ぼけっと」飲んでいる人が好ましい、なんせ手がかからないから上客だ。
と言っている。
よくわかる気がするが、この「ぼけっと」が意外と難しい。
頻繁に飲み屋に行っているひとならできるかもしれないけど
年に一回とか(行かない年もある)しか行かないと
せっかく来たんだから何でもかんでも・・と思って
僕の場合は「しん」じゃなくて「がつがつ」とする。
前に「赤天狗」という名物飲み屋があった。
赤天のとうさん、と呼ばれる店主は80歳くらい(当時)
カウンターのお客さんはほとんどが常連でアル中。
その中に、いかにも「ぼけっと」呑んでいる客がいた。
一点を見つめているわけでなく、寝ているわけでもなく
怒っているわけでも、沈んでいるわけでもない。
まさに「ぼけっと」呑んでいる。
追加注文するときだけ目がさめたような感じになって
あとはまた「ぼけっと」。
とうさんも気にかけるわけでなく、無視するわけでなく。
そのときこれが究極の飲み屋だと思った。