それぞれの地域事情

くもり。

街路樹の緑が日に日に濃くなる。


↑21.5℃   ↓13.2℃       北東  3.1m/s   湿度76%


別保には炭鉱があった。

というか、この付近(北海道中)は、かつては炭鉱だらけだった。

浦幌
音別(尺別)
白糠(新白糠・庶路・本岐)
阿寒町(雄別)
釧路市(太平洋炭鉱・現コールマイン)
釧路町(別保)
厚岸町(上尾幌)

その炭鉱のなごりを、どのように残すかは地域によって様々だ。
記念碑を建てたり、資料館をつくったり、雄鉄線のように遊歩道になったり。



ところが、この別保にはそのような跡形が見当たらない。


今回別保に行って、ぐるぐる回ってみると炭住のような雰囲気の家はあるが
なごりのようなものがない。


こういうときは役場に行くのがいいかも・・と行ってみた。

http://www.town.kushiro.lg.jp/index.html

二階の「まちづくり推進課」(ここでいいんだろうか?)に行き、恐る恐る聞いてみる。(どうも役所は苦手だ)

「あのー かつて別保にあった炭鉱の資料などないでしょうか?」

事務仕事をやっていた若い職員が親切に対応してくれる。

「炭鉱があったというのは聞いたことがあるんですが、果たしてどこにあったかは・・・・少しお待ち下さい」

と彼の先輩のような人(彼も十分に若い)に相談する。

若い先輩は(多分)資料を探しにどこかに行ってしまう。



そこへ別な職員が「なにかお探しですか?」とやさしい声をかけてくれる。
落ち着いた「二十四の瞳のおなご先生」のような女性だ。



先ほどと同じ説明をもう一度する。
もちろん面倒でもないし腹もたたない。
このまま釧路町の未来構想について2時間のディスカッションをしてもいいくらいだ。


そのうち若い先輩が資料を持ってやってくる。




この資料の巻頭あいさつの文で
「残念ながら、今はもう林の中に埋没してしまったところも数多くあり、全てを撮影することはできませんでした」
というのがある。


地域によっては、人の住まなくなった場所もあるが、
新たな住宅地になり、都市のベッドタウンとして生まれかわりつつあるところもある。
忘れてしまいたい人も、いるだろうなあ。


それぞれの事情を、他人がとやかくいう権利はない。